日の差す明るい芝生の上を、リードを付けた茶と白と黒の毛の犬が、しっぽを高く上げ、口を開けて舌を出しながら、こちらへ歩いてくる様子
しぐさ読了 約6分

犬のしっぽの動きでわかる気持ち。高さ・振り方・速さの見方

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しっぽを振っているからといって、いつもうれしいとは限りません。しっぽの気持ちは、高さ・振り方・速さに加えて、体全体の様子と場面を合わせて見ると、読み取りやすくなります。

この記事では、しっぽの動きから考えられる気持ちと、見分けるときの3つの視点をまとめました。

しっぽを振る=うれしい、とは限りません

わんこが飼い主さんを見て、しっぽをぶんぶん振る。その姿を見ると、「喜んでくれている」と感じますよね。実際に、うれしいときにしっぽが動く子はたくさんいます。

ただ、しっぽが動くのは、うれしいときだけではないと言われています。期待しているとき、少し緊張しているとき、気持ちが高ぶっているときにも、しっぽは動きます。

つまり、しっぽは「気持ちが動いている」ことを教えてくれるサインで、うれしいか、不安かは、動き方や体の様子で見分ける必要があります。

しっぽには、走ったり曲がったりするときに、体のバランスをとる役割もあると言われています。気持ちを伝えるだけでなく、体の動きにも関わっているため、動きのすべてに気持ちが表れているわけではありません。

また、しっぽの形や長さ、付いている位置は、わんこによって違います。くるんと巻いている子も、短い子もいます。ここで紹介するのは、あくまで「よくある例」で、個体差があります。

しっぽの動きで考えられる気持ち

代表的な動きを、6つに分けて紹介します。

高い位置で、ゆったり大きく振る

体の力が抜けていて、表情もやわらかいときは、機嫌がよく、リラックスしている様子のことが多いと言われています。飼い主さんが帰ってきたときや、お散歩に出かけるときに見られる子もいます。

高い位置で、速く細かく振る

しっぽがぴんと上がり、小刻みに速く動いているときは、気持ちが高ぶっているのかもしれません。うれしさで興奮していることもあれば、周りの様子に強く注意を向けているときにも見られると言われています。

体がこわばっていないか、視線が一点に集中していないかも、あわせて見てあげてください。

お尻ごと、体ごと振る

しっぽだけでなく、お尻や体全体をくねくねと揺らしているときは、うれしさや親しみが強く出ている様子のことが多いと言われています。飼い主さんに会えたとき、遊びに誘いたいときなどに見られます。

低い位置で、ゆっくり振る

しっぽを下げたまま、ゆっくり左右に動かしているときは、ちょっと自信がない、様子をうかがっている、という気持ちのことがあります。初めての場所や、知らない人に会ったときに見られることがあります。

足の間に入れる、体に巻き込む

しっぽを下げて、後ろ足の間に入れたり、体にぴったりつけたりしているときは、不安や怖さを感じている可能性があります。耳が後ろに倒れていたり、体が小さくなっていたりしたら、安心できる場所へ連れて行ってあげましょう。

止まっている、固まっている

しっぽが静止して、体もこわばっているときは、緊張や警戒のサインのことがあります。何かに強く注意を向けているのかもしれません。

見分けるための3つの視点

しっぽの動きを見るときは、次の3つに注目してみてください。

1. 高さ

  • 高い: 自信がある、気持ちが高ぶっている
  • ふつう: 落ち着いている
  • 低い: 緊張している、自信がない、不安

ただし、もともとしっぽの位置が高い子や低い子もいます。「その子のふだんの位置」と比べるのがコツです。

しっぽの高さと気持ちの手がかり(目安)

2. 振り方と速さ

  • ゆったり大きく: リラックスしていたり、うれしい気持ちだったりすることが多い
  • 速く細かく: 気持ちが高ぶっている(うれしい興奮のこともあれば、緊張や、周りへの強い注意のこともある)
  • ゆっくり小さく: 様子をうかがっていたり、慎重になっていたりすることが多い
しっぽの振り方と気持ちの手がかり(目安)

3. 体全体と場面

  • 耳: 前を向いているか、後ろに倒れているか
  • 体: 力が抜けているか、こわばっているか
  • 目つき: やわらかいか、固いか
  • 場面: 誰に、何に会ったときか

しっぽだけを見て判断するのではなく、「いつ、どんな場面で、体はどんな様子か」を合わせて見ると、気持ちの手がかりが増えます。

同じ「速く振る」でも、うれしくて跳ねているときと、緊張して固まっているときでは、体の様子がまったく違います。迷ったときは、無理に判断せず、わんこが落ち着ける距離と環境をつくってあげてください。

しっぽが読み取りにくい子もいます

しっぽが短い子、くるんと巻いている子、毛が長くて動きが見えにくい子もいます。そんなときは、しっぽの代わりに、耳、目つき、体の向き、口元などを手がかりにしてみてください。

ふだんのしっぽの位置や動き方を知っておくと、「いつもと違う」ことにも気づきやすくなります。

しっぽの様子が気になるとき

次のような様子があるときは、体調や痛みが関わっていることもあります。

  • いつもは振るのに、急に振らなくなった
  • しっぽを触られるのを嫌がる、触ると鳴く
  • しっぽを下げたままで、元気がない
  • しっぽを気にして、何度もかむ、なめる、追いかける
  • しっぽの付け根や、おしりのまわりに、赤みや傷がある

しっぽの動きだけで、体調を判断することはできません。いつもと違う様子が続くときは、動物病院や獣医師に相談してください。

しっぽの動かし方にも、その子の個性があります

しっぽの動かし方には、わんこごとのクセがあります。よく振る子もいれば、あまり動かさない子もいます。

たとえば、物音に敏感な子は、玄関のチャイムでしっぽが細かく動くことがあります。のんびりした子は、同じ場面でも、ゆっくり大きく振るだけのこともあります。

気づいたことは、「しっぽの動き」と「そのときの場面」を、スマホのメモに一言ずつ残してみてください。例えば「玄関のチャイムで、高い位置で細かく振った」のような短いもので十分です。続けるうちに、その子のパターンが見えてきます。

まとめ

しっぽは、高さ・振り方・速さで、気持ちの手がかりを教えてくれます。ただし、うれしいときだけではなく、緊張や不安のときにも動くため、体全体と場面を合わせて見るのがコツです。

しっぽは、わんこが毎日見せてくれる、いちばん身近なサインです。今日のしっぽを、ちょっとだけ気にしてみませんか。