レンガの壁の前にあるタイルの床で、白と茶色のまだら模様の毛をした小さな犬が伏せていて、青い服を着た人が片手で木製のブラシを背中に当ててとかしている様子
お世話読了 約8分

おうちで簡単な犬のブラッシング入門。道具選びとやさしいやり方

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ブラッシングは、毛を整えるだけでなく、皮膚や体の様子を見られる、毎日のお手入れの時間です。むずかしく考えず、短い時間で、やさしく始めてみましょう。

どのくらいの頻度で、どんな道具を使うかは、毛の長さや質、わんこの個性によって変わります。この記事では、基本のやり方と、道具を選ぶときの基準、うまくいかないときの工夫をまとめました。

ブラッシングで期待できること

ブラッシングには、次のようなよいことがあると言われています。

  • 抜け毛を取り除き、部屋に散らばる毛を減らしやすくする
  • 毛のからまりや、毛玉を防ぎやすくなる
  • 皮膚や体の様子(赤み、できもの、傷、においなど)に気づきやすくなる
  • 飼い主さんとわんこの、ふれあいの時間になる

特に、毎日のブラッシングは、体のチェックの時間にもなります。「いつもと違う」に早めに気づけるのは、大きな利点です。

ただし、すべてのわんこが、ブラッシングを好きなわけではありません。毛の質や皮膚の状態、性格によって、向き不向きがあります。無理をせず、その子に合ったやり方を探していきましょう。

毛の質によって、お手入れは変わります

毛の質は、わんこによってさまざまです。短い毛、長い毛、くるくる巻いた毛、やわらかい毛、硬めの毛。毛の長さや質によって、からまりやすさや、抜け毛の量が違います。

また、「ダブルコート」と呼ばれる、上毛と下毛の二重構造の毛を持つ子は、季節の変わり目に、抜け毛が増えると言われています。一方、抜け毛が少なめでも、毛がからまりやすい子もいます。

「うちの子は、どんな毛かな」と、まず触って確かめてみましょう。手触りや、からまりやすい場所を知っておくと、道具選びやお手入れの参考になります。

ブラシの種類と、選ぶときの基準

ブラシには、いくつかの種類があります。ここでは、道具の種類と、選ぶときの基準を紹介します。特定の商品の紹介ではありません。

よく使われるブラシの種類

  • スリッカーブラシ: 細いピンが並んだブラシです。抜け毛や、からまった毛をほぐすときに使われます。
  • コーム(くし): 毛を整えたり、毛玉の有無を確かめたりするときに使われます。
  • ラバーブラシ: ゴムのようなやわらかい素材のブラシです。短い毛のわんこや、マッサージを兼ねたいときに使われることがあります。
  • ピンブラシ: 長い毛をとかすときに使われます。

どれが合うかは、毛の長さ、毛の質、皮膚の敏感さによって違います。

ブラシの種類と使われ方の目安

選ぶときの基準

  • 毛の長さと質に合っているか: 毛が短い、長い、からまりやすいなど、愛犬の毛に合った形か
  • 皮膚への当たり方: ピンの先が鋭すぎないか、強くこすれて痛くないか
  • 持ちやすさ: 長い時間持っても疲れにくく、力加減がしやすいか
  • お手入れのしやすさ: 抜け毛を取り除きやすく、洗いやすいか
  • 愛犬が嫌がらないか: 見た目や音、肌に当たる感覚を、嫌がらないか

どのブラシが合うか迷うときは、動物病院やトリミングサロンで、愛犬の毛の質や皮膚の状態に合うものを聞いてみましょう。

基本のやり方

準備すること

  • 落ち着いて過ごせる、静かな場所を選ぶ
  • 滑りにくい場所で、わんこが安心して立てる、または座れる状態にする
  • ごほうび(おやつ)を用意しておく
  • 時間に余裕のあるときを選ぶ

食後すぐや、興奮しているときは、避けたほうがよいでしょう。

手順

  1. まず、体を触って、リラックスさせます。声をかけながら、背中や肩をやさしくなでてあげましょう。
  2. ブラシを見せて、においを嗅がせます。慣れていない子には、特に大切です。
  3. 背中から始めます。毛の流れに沿って、軽い力で、少しずつとかします。
  4. 慣れてきたら、肩、お腹、胸などへ進みます。
  5. 足まわり、しっぽ、顔まわりは、嫌がる子が多いので、様子を見ながら、短い時間で進めましょう。
  6. できたら、ほめて、ごほうびをあげましょう。

力を入れすぎず、「なでる」くらいの気持ちで始めるのがコツです。ブラシを皮膚に強く押し当てると、痛みや、皮膚への負担になることがあります。

部位ごとのコツ

  • 顔まわり: 目や鼻に近く、嫌がる子も多い場所です。無理はせず、慣れていないうちは短い時間で。難しいときは、トリミングサロンなどに相談してください。
  • 耳のうしろ・首まわり: 毛がからまりやすい場所のひとつと言われています。毛玉ができていないか、触って確かめましょう。
  • 脇の下・内もも: 皮膚がやわらかく、こすれやすい場所です。力を入れすぎず、やさしく扱ってください。
  • お腹: 嫌がる子もいます。無理に仰向けにせず、その子が楽な姿勢で、短い時間だけ整えましょう。難しいときは、トリミングサロンなどに相談してください。
  • 足先・しっぽ: 触られるのが苦手な子も多いため、ごほうびを使いながら、少しずつ慣らしていきましょう。

毛玉のほぐし方

毛玉は、毛がからまって固まったものです。無理に引っ張ると、痛みや皮膚の傷につながることがあります。

  • 毛玉を見つけたら、まず指でそっとほぐしてみる
  • 毛玉の根元を、片手で押さえながら、少しずつほぐす
  • ブラシやコームを、毛先のほうから少しずつ通す
  • 固くて、ほぐれない毛玉は、無理をしない

皮膚に近いところの毛玉や、大きな毛玉は、自分で切ろうとせず、トリミングサロンや動物病院に相談してください。ハサミで切ると、皮膚を傷つけてしまうおそれがあります。

子犬やシニアの子の場合

子犬のころから、短い時間のブラッシングに慣らしておくと、将来のお手入れがしやすくなると言われています。無理のない範囲で、ブラシに触れる経験を積ませてあげましょう。

シニア期の子は、体を動かされるのがつらいことや、皮膚が敏感になっていることもあります。時間を短くして、姿勢にも気を配り、休憩をはさみながら行ってください。

終わったら

ブラッシングが終わったら、落ちた毛を片づけ、ブラシのお手入れをしておきましょう。次に使うときに、気持ちよく始められます。

ブラッシングを嫌がるときの工夫

ブラッシングを嫌がる子もいます。次のような工夫を試してみてください。

短い時間から始める

最初は、1回に1か所だけ、ほんの短い時間で終えても大丈夫です。「ブラシは、嫌なことではない」と感じてもらうことが先です。

ごほうびと組み合わせる

ブラシを見せたらごほうび、背中をとかしたらごほうび、というように、小さな成功を積み重ねてあげましょう。

場所や時間を変えてみる

落ち着ける場所、くつろいでいる時間帯のほうが、うまくいくこともあります。眠くなったタイミングや、お散歩のあとなど、わんこが穏やかなときを選んでみましょう。

道具を見直す

ブラシが、皮膚に合っていない可能性もあります。ピンが硬すぎる、音が気になる、肌に当たる感覚が苦手など、理由はさまざまです。違う種類のブラシを、試してみる方法もあります。

頻度の考え方と、気になるとき

頻度は、毛の質と個性で変わります

ブラッシングの頻度は、毛の長さ、質、抜け毛の量、季節、皮膚の状態によって変わります。毎日のように行うことをすすめる場合もあれば、様子を見ながら調整する場合もあります。

「何回」という決まった答えはありません。愛犬の毛の状態や、飼い主さんの生活のペースに合わせて、続けられる頻度を探してください。迷うときは、かかりつけの獣医師やトリマーに、愛犬に合う頻度を聞いてみましょう。

季節による違い

  • 春や秋: 季節の変わり目に、抜け毛が増える子がいます。いつもより、ブラッシングの回数を増やしたほうがよい場合があります。
  • 夏: 毛が蒸れやすく、皮膚の状態に変化が出ることもあります。毛の根元の状態を、よく見てあげましょう。
  • 冬: 空気が乾燥して、静電気が起こりやすくなります。ブラシで毛が広がる、パチパチする、といった様子があれば、無理をせず、やさしく扱ってください。

ブラッシングのときに、見ておきたいこと

ブラッシングのときは、毛だけでなく、皮膚や体も見てあげましょう。

  • 皮膚の赤み、かさぶた、フケ
  • 毛が抜けて、地肌が見えている部分
  • できもの、しこり、傷
  • においが強い、ベタつきがある
  • ノミやダニがいないか

こうした変化に気づいたときは、自己判断せずに、動物病院や獣医師に相談してください。

性格に合わせて、進め方を考える

ブラシを見せただけでそばに来る子もいれば、近づくだけで体をかたくする子もいます。後者の子は、ブラシのにおいを嗅がせるだけで終える日をつくるなど、ゆっくり進めてみてください。

まとめ

ブラッシングは、毛のお手入れだけでなく、皮膚や体のチェックにもなる大切な時間です。道具は毛の質と肌に合わせて選び、短い時間から、ごほうびと一緒に始めてみてください。

ブラッシングを、毎日のごあいさつ代わりにしてみませんか。まずは今日、背中を一度やさしくなでるところから、始めてみましょう。