
おうちで簡単な犬のブラッシング入門。道具選びとやさしいやり方
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ブラッシングは、毛を整えるだけでなく、皮膚や体の様子を見られる、毎日のお手入れの時間です。むずかしく考えず、短い時間で、やさしく始めてみましょう。
どのくらいの頻度で、どんな道具を使うかは、毛の長さや質、わんこの個性によって変わります。この記事では、基本のやり方と、道具を選ぶときの基準、うまくいかないときの工夫をまとめました。
ブラッシングで期待できること
ブラッシングには、次のようなよいことがあると言われています。
- 抜け毛を取り除き、部屋に散らばる毛を減らしやすくする
- 毛のからまりや、毛玉を防ぎやすくなる
- 皮膚や体の様子(赤み、できもの、傷、においなど)に気づきやすくなる
- 飼い主さんとわんこの、ふれあいの時間になる
特に、毎日のブラッシングは、体のチェックの時間にもなります。「いつもと違う」に早めに気づけるのは、大きな利点です。
ただし、すべてのわんこが、ブラッシングを好きなわけではありません。毛の質や皮膚の状態、性格によって、向き不向きがあります。無理をせず、その子に合ったやり方を探していきましょう。
毛の質によって、お手入れは変わります
毛の質は、わんこによってさまざまです。短い毛、長い毛、くるくる巻いた毛、やわらかい毛、硬めの毛。毛の長さや質によって、からまりやすさや、抜け毛の量が違います。
また、「ダブルコート」と呼ばれる、上毛と下毛の二重構造の毛を持つ子は、季節の変わり目に、抜け毛が増えると言われています。一方、抜け毛が少なめでも、毛がからまりやすい子もいます。
「うちの子は、どんな毛かな」と、まず触って確かめてみましょう。手触りや、からまりやすい場所を知っておくと、道具選びやお手入れの参考になります。
ブラシの種類と、選ぶときの基準
ブラシには、いくつかの種類があります。ここでは、道具の種類と、選ぶときの基準を紹介します。特定の商品の紹介ではありません。
よく使われるブラシの種類
- スリッカーブラシ: 細いピンが並んだブラシです。抜け毛や、からまった毛をほぐすときに使われます。
- コーム(くし): 毛を整えたり、毛玉の有無を確かめたりするときに使われます。
- ラバーブラシ: ゴムのようなやわらかい素材のブラシです。短い毛のわんこや、マッサージを兼ねたいときに使われることがあります。
- ピンブラシ: 長い毛をとかすときに使われます。
どれが合うかは、毛の長さ、毛の質、皮膚の敏感さによって違います。
選ぶときの基準
- 毛の長さと質に合っているか: 毛が短い、長い、からまりやすいなど、愛犬の毛に合った形か
- 皮膚への当たり方: ピンの先が鋭すぎないか、強くこすれて痛くないか
- 持ちやすさ: 長い時間持っても疲れにくく、力加減がしやすいか
- お手入れのしやすさ: 抜け毛を取り除きやすく、洗いやすいか
- 愛犬が嫌がらないか: 見た目や音、肌に当たる感覚を、嫌がらないか
どのブラシが合うか迷うときは、動物病院やトリミングサロンで、愛犬の毛の質や皮膚の状態に合うものを聞いてみましょう。
基本のやり方
準備すること
- 落ち着いて過ごせる、静かな場所を選ぶ
- 滑りにくい場所で、わんこが安心して立てる、または座れる状態にする
- ごほうび(おやつ)を用意しておく
- 時間に余裕のあるときを選ぶ
食後すぐや、興奮しているときは、避けたほうがよいでしょう。
手順
- まず、体を触って、リラックスさせます。声をかけながら、背中や肩をやさしくなでてあげましょう。
- ブラシを見せて、においを嗅がせます。慣れていない子には、特に大切です。
- 背中から始めます。毛の流れに沿って、軽い力で、少しずつとかします。
- 慣れてきたら、肩、お腹、胸などへ進みます。
- 足まわり、しっぽ、顔まわりは、嫌がる子が多いので、様子を見ながら、短い時間で進めましょう。
- できたら、ほめて、ごほうびをあげましょう。
力を入れすぎず、「なでる」くらいの気持ちで始めるのがコツです。ブラシを皮膚に強く押し当てると、痛みや、皮膚への負担になることがあります。
部位ごとのコツ
- 顔まわり: 目や鼻に近く、嫌がる子も多い場所です。無理はせず、慣れていないうちは短い時間で。難しいときは、トリミングサロンなどに相談してください。
- 耳のうしろ・首まわり: 毛がからまりやすい場所のひとつと言われています。毛玉ができていないか、触って確かめましょう。
- 脇の下・内もも: 皮膚がやわらかく、こすれやすい場所です。力を入れすぎず、やさしく扱ってください。
- お腹: 嫌がる子もいます。無理に仰向けにせず、その子が楽な姿勢で、短い時間だけ整えましょう。難しいときは、トリミングサロンなどに相談してください。
- 足先・しっぽ: 触られるのが苦手な子も多いため、ごほうびを使いながら、少しずつ慣らしていきましょう。
毛玉のほぐし方
毛玉は、毛がからまって固まったものです。無理に引っ張ると、痛みや皮膚の傷につながることがあります。
- 毛玉を見つけたら、まず指でそっとほぐしてみる
- 毛玉の根元を、片手で押さえながら、少しずつほぐす
- ブラシやコームを、毛先のほうから少しずつ通す
- 固くて、ほぐれない毛玉は、無理をしない
皮膚に近いところの毛玉や、大きな毛玉は、自分で切ろうとせず、トリミングサロンや動物病院に相談してください。ハサミで切ると、皮膚を傷つけてしまうおそれがあります。
子犬やシニアの子の場合
子犬のころから、短い時間のブラッシングに慣らしておくと、将来のお手入れがしやすくなると言われています。無理のない範囲で、ブラシに触れる経験を積ませてあげましょう。
シニア期の子は、体を動かされるのがつらいことや、皮膚が敏感になっていることもあります。時間を短くして、姿勢にも気を配り、休憩をはさみながら行ってください。
終わったら
ブラッシングが終わったら、落ちた毛を片づけ、ブラシのお手入れをしておきましょう。次に使うときに、気持ちよく始められます。
ブラッシングを嫌がるときの工夫
ブラッシングを嫌がる子もいます。次のような工夫を試してみてください。
短い時間から始める
最初は、1回に1か所だけ、ほんの短い時間で終えても大丈夫です。「ブラシは、嫌なことではない」と感じてもらうことが先です。
ごほうびと組み合わせる
ブラシを見せたらごほうび、背中をとかしたらごほうび、というように、小さな成功を積み重ねてあげましょう。
場所や時間を変えてみる
落ち着ける場所、くつろいでいる時間帯のほうが、うまくいくこともあります。眠くなったタイミングや、お散歩のあとなど、わんこが穏やかなときを選んでみましょう。
道具を見直す
ブラシが、皮膚に合っていない可能性もあります。ピンが硬すぎる、音が気になる、肌に当たる感覚が苦手など、理由はさまざまです。違う種類のブラシを、試してみる方法もあります。
頻度の考え方と、気になるとき
頻度は、毛の質と個性で変わります
ブラッシングの頻度は、毛の長さ、質、抜け毛の量、季節、皮膚の状態によって変わります。毎日のように行うことをすすめる場合もあれば、様子を見ながら調整する場合もあります。
「何回」という決まった答えはありません。愛犬の毛の状態や、飼い主さんの生活のペースに合わせて、続けられる頻度を探してください。迷うときは、かかりつけの獣医師やトリマーに、愛犬に合う頻度を聞いてみましょう。
季節による違い
- 春や秋: 季節の変わり目に、抜け毛が増える子がいます。いつもより、ブラッシングの回数を増やしたほうがよい場合があります。
- 夏: 毛が蒸れやすく、皮膚の状態に変化が出ることもあります。毛の根元の状態を、よく見てあげましょう。
- 冬: 空気が乾燥して、静電気が起こりやすくなります。ブラシで毛が広がる、パチパチする、といった様子があれば、無理をせず、やさしく扱ってください。
ブラッシングのときに、見ておきたいこと
ブラッシングのときは、毛だけでなく、皮膚や体も見てあげましょう。
- 皮膚の赤み、かさぶた、フケ
- 毛が抜けて、地肌が見えている部分
- できもの、しこり、傷
- においが強い、ベタつきがある
- ノミやダニがいないか
こうした変化に気づいたときは、自己判断せずに、動物病院や獣医師に相談してください。
性格に合わせて、進め方を考える
ブラシを見せただけでそばに来る子もいれば、近づくだけで体をかたくする子もいます。後者の子は、ブラシのにおいを嗅がせるだけで終える日をつくるなど、ゆっくり進めてみてください。
まとめ
ブラッシングは、毛のお手入れだけでなく、皮膚や体のチェックにもなる大切な時間です。道具は毛の質と肌に合わせて選び、短い時間から、ごほうびと一緒に始めてみてください。
ブラッシングを、毎日のごあいさつ代わりにしてみませんか。まずは今日、背中を一度やさしくなでるところから、始めてみましょう。


