観葉植物と黄色いスツールのある明るい室内の床で、茶色と白の毛の犬が、フードの入った黒い器のそばに伏せて、横を見ながら待っている様子
食事読了 約10分

犬のごはんの与え方の基本。フード選びから量・おやつ・保存まで

公開 更新

毎日のごはんは、わんこの体づくりと健康を支える大切なものです。主食には、パッケージに「総合栄養食」と書かれたフードを選び、量はパッケージの目安を出発点にして、体型や便の様子を見ながら調整するのが基本の考え方です。

この記事では、環境省のパンフレットをもとに、フードの種類と表示の見方、ライフステージ、量の調整、おやつや人の食べ物との付き合い方、フードの切り替えと保存方法、水の用意を、順番にまとめました。

ごはんの基本の考え方

フードの種類と、「総合栄養食」

ペットフードのパッケージには、そのフードがどんな目的のものなのかが表示されています。資料では、主なものが次のように分けられています。

  • 総合栄養食: 毎日の主要な食事として与えることを目的とし、新鮮な水と一緒に与えることで健康を維持できるよう、栄養バランスが整えられたフードです。
  • 療法食: 病気の治療の際に、栄養面でサポートするためのフードです。使用は獣医師の管理下で行います。
  • 間食(おやつ、スナック): 主食の代わりにはなりません。
  • その他の目的食(副食、一般食(おかずタイプ)、栄養補完食など): 総合栄養食ではありません。

毎日の主食には、「総合栄養食」と書かれたものを選ぶのが基本です。迷ったときは、パッケージの表示をよく読み、動物病院で聞いてみましょう。

パッケージの表示の見方

パッケージには、法律や業界のルールに基づいた表示があります。資料では、次の2つに分けて説明されています。

ペットフード安全法に基づく表示(5つ)

  • 名称(犬用か猫用か)
  • 賞味期限
  • 原材料名
  • 原産国名
  • 事業者名と住所

業界の公正競争規約に基づく表示

  • 用途(総合栄養食・間食・療法食・その他の目的食)
  • 内容量
  • 与え方(1日に与える量や回数の目安)
  • 成分

あわせて、対象のライフステージ(成長期用、成犬用など)が愛犬に合っているかも、確かめましょう。気になることがあるときは、かかりつけの獣医師に相談してみてください。

ライフステージで、フードは変わります

わんこの一生は、いくつかの時期に分けられ、時期ごとに合うフードがあります。資料では、目安として、次のように紹介されています。

  • 成長期: 生後50日ごろから、小型犬で10か月ぐらい、中型犬で1年ぐらい、大型犬で1年半ぐらいまでとされています。成長期用(子犬用)のフードがあります。
  • 成犬期: 成長期を終えてから7年間(大型犬では5年)程度とされています。成犬用のフードがあります。
  • 中高齢期: 約8〜10歳(大型犬は6〜7歳)以降とされています。

どれも目安で、わんこによって違います。また、ある年齢になったからといって、急にその年齢用のフードに切り替えるのは、あまりよくないとされています。切り替えるときは、愛犬の様子を見ながら、少しずつ進めましょう。

子犬、シニア、持病のある子のごはんは、自己判断で決めず、獣医師に相談しながら選んでください。

手作りのごはんを考えているとき

手作りのごはんは、愛情を込めやすい反面、必要な栄養のバランスをとるのが難しいと言われています。手作りに興味があるときや、手作りを取り入れているときは、栄養の組み合わせを、かかりつけの獣医師に相談してみてください。

使う食材によっては、わんこに与えてはいけないものもあります。

量の決め方と、体型の見方

パッケージの目安を、出発点に

フードの量は、パッケージに書かれた給与量の目安が、出発点になります。ただし、パッケージの量は、現在の体重ではなく、理想体重を基準に表示されていることが多いとされています。愛犬の理想体重は、獣医師に相談するとよいでしょう。

また、目安はあくまで平均的な数値で、愛犬にぴったり合うとは限りません。季節や運動量によっても、必要な量は変わります。定期的に体重を量って、量を見直すことが大切です。体重は、週1回程度の測定がすすめられています。

計量して、毎回同じ量に

目分量で与えていると、少しずつ量が変わってしまうことがあります。計量カップやキッチンスケールを使って、量を測る習慣をつけると、変化に気づきやすくなります。

  • 家族が複数いるときは、「今日はもう、あげた?」の確認ミスを防ぐため、冷蔵庫の扉などに、与えた記録を書くカードを貼っておく
  • おやつをあげた分は、その日のごはんの量から調整する

体型を見て、調整する

量が合っているかどうかは、体型を見て確かめます。資料では、理想的な体型(BCS3)の目安が、次のように説明されています。

  • あばらの骨が、触るとわかる(目では見えない)
  • 上から見て、腰のあたりにくびれがある
  • 横から見て、お腹が引き上がっている

痩せすぎ、太りすぎのどちらも、体への負担になると言われています。「少し増えたかも」「少し痩せたかも」と感じたときは、早めに量を見直し、必要があれば獣医師に相談してください。体重は、定期的に量って、記録しておくと便利です。

体型チェックの目安(さわって確かめるのがコツ)

うんちの様子も、ヒントに

便の状態は、ごはんの量や、フードが合っているかを知る手がかりのひとつです。いつもより柔らかい、硬い、回数が変わった、といった変化があるときは、記録しておきましょう。続くときは、動物病院に相談してください。

与え方のポイント

食べる環境

  • 静かで、落ち着いて食べられる場所に器を置く
  • 食べている最中は、むやみに触らない
  • 器は、わんこの口の大きさや、食べやすさに合ったものを選ぶ

器は、洗って、乾燥させてから使いましょう。フードの残りかすや水分には、微生物が増えやすいとされています。器を片づけたあとは、石けんで手を洗います。

ごはんの記録を、ひと言で

量や食べっぷりの変化に気づくために、簡単な記録をつけてみましょう。たとえば、スマホのメモに、次のような形で残すだけでも十分です。

  • 朝: 全部食べた/うんち: いつもどおり
  • 夜: 少し残した/お散歩を短くした日

続けていくと、「この季節は食欲が落ちやすい」「このおやつをあげた日は、ごはんを残す」といった傾向が見えてきます。

食べ残しや、早食いのとき

  • 食べ残しがあるときは、その理由を考えてみる(おやつが多い、運動が足りない、環境が落ち着かない、体調など)
  • ずっと残すとき、急に食欲が落ちたときは、動物病院に相談する
  • 早食いの子は、器の形を変える、ごはんを小分けにするなどの工夫がある

食欲は、体調の目安にもなります。いつもの食べっぷりを知っておくと、変化に気づきやすくなります。

回数や時間

資料では、1日分を数回に分けて与えるよう勧められています。一度に与えると、慌てて飲み込んでのどに詰まらせたり、肥満の原因になったりするためです。

ごはんの回数や時間は、年齢や体質、生活リズムによって変わります。子犬は回数が多めで、成長とともに変えていく、と言われています。愛犬に合った回数は、獣医師に相談して決めましょう。

毎日、できるだけ同じくらいの時間に与えると、体のリズムが整いやすくなります。

おやつと、人の食べ物

おやつは、量を決めて

おやつは、しつけのごほうびや、ふれあいの楽しみに役立ちます。資料では、間食(おやつ)は、栄養バランスが損なわれないよう、1日に与えてよい量と回数が決められているものとされています。与えすぎると、肥満や、ごはんを食べなくなる原因になることがあります。

  • おやつの量は、1日に必要なエネルギー量の20%以内が目安とされています
  • おやつをあげた分だけ、主食を減らす
  • ごほうび用のおやつは、小さくちぎって使う
  • 「おやつ」と「主食」を、混同しない

おやつを選ぶときの基準

  • 原材料の表示を読み、わんこに合わないものが入っていないか確認する
  • 愛犬の口の大きさに合った大きさや、かたさか(丸のみしやすい形や、かたすぎるものは注意)
  • 与える量を、調整しやすい形か(小さくちぎれる、分けやすいなど)
  • 食べ物にアレルギーがある場合は、獣医師の指示に従う

「おやつ」と書かれていても、主食の代わりにはならないことを、頭に入れておきましょう。

人の食べ物を、与えない理由

人の味つけの食事や、ハムなどは、塩分の摂りすぎになるとされています。資料では、成犬に、乳糖を多く含む牛乳を与えると、乳糖をうまく消化できず、下痢を起こすことがあるとされています。また、甘いものや果物を与えすぎると、肥満の原因になります。与えてはいけない食べ物が含まれていることもあります(詳しくは、別の記事「犬に与えてはいけない食べ物」をご覧ください)。

もうひとつの理由は、「ねだり」の習慣がつきやすいことです。一度あげると、次も期待して、食卓でじっと待つようになる子もいます。わんこの健康と、食卓の落ち着きのために、人の食べ物は与えないと、家族で決めておきましょう。

フードの切り替えと、保存方法、水の用意

切り替えは、少しずつ

食べ慣れないフードに急に替えると、吐いたり、下痢をしたりすることがあります。新しいフードに替えるときは、わんこの状態を見ながら、1〜2週間かけて、新しいフードの割合を少しずつ増やしましょう。

  1. 今までのフードに、新しいフードを少し混ぜる
  2. 便の様子や、食べっぷりを見ながら、新しいフードの割合を、少しずつ増やす
  3. 様子が落ち着いていれば、新しいフードに切り替える

便がゆるくなる、食べなくなる、といった様子があるときは、割合を戻し、獣医師に相談してください。

保存の基本

フードは、種類に合わせて保存し、賞味期限内に使い切りましょう。保存の状態が悪いと、賞味期限内でも、品質が悪くなることがあるとされています。

ドライフード

  • 袋をしっかり閉じ、直射日光が当たらない、温度と湿度が低い場所に置く
  • 冷蔵庫に入れると、結露でカビの原因になることがあるので、常温で保存する
  • 開封後は、なるべく早く使い切れるよう、わんこの大きさに合ったサイズを選ぶ
  • 使用期限の目安は、開封後約1か月とされています
  • 食器に出したあとの食べ残しは、放置せず、片づけるか、定期的に新しいものに交換する

セミモイストフード

  • 袋をしっかり閉じ、冷蔵庫で保存する
  • 使用期限の目安は、開封後2週間程度とされています

ウェットフード(缶詰、パウチ)

  • 開封したら、すぐに与える
  • 余ったら、別の容器に移し替えて冷蔵し、その日のうちに使い切る
  • 食器に出したあとは、20分程度を目安に片づける
  • 使用期限の目安は、開封後1日とされています

水の用意

水は、わんこにとって欠かせないものです。ドライフードは水分が少ないので、新鮮な水を、フードのそばに置いてあげましょう。

  • 新鮮な水を、いつでも飲めるように用意しておく
  • 器は、毎日洗い、水を替える
  • 暑い季節や、お散歩のあと、運動のあとは、水の減り方を気にしてみる
  • お出かけのときは、携帯用の水と器を持っていく

水を飲む量が、急に増えた、減ったときは、体調の変化のサインのこともあります。続くときは、動物病院に相談してください。

まとめ

ごはんは、主食に「総合栄養食」を選び、量はパッケージの目安を出発点にして、体型や便の様子を見ながら、季節や運動量でも見直します。おやつは量を決め、人の食べ物は与えず、フードの切り替えは少しずつ、保存はフードの種類に合わせるのが基本です。

子犬、シニア、持病のある子のごはんは、獣医師に相談しながら選んでください。まずは明日の朝、計量カップで、いつもの量をいちど量ってみてください。