黄色い花が咲く草の上で、白と茶の毛で耳の大きな犬の顔を、人の両手が下からあごと頭を支えるようにして、やさしく包んでいる様子
健康読了 約8分

犬の毎日の健康チェックのポイント。見ておきたい10の項目

公開 更新

毎日の健康チェックは、病気を見つけるためのものではなく、愛犬の「いつもの様子」を知り、「いつもと違う」に早く気づくためのものです。食欲、排泄、目や耳、呼吸など、いくつかの項目を、決まったタイミングで見てあげましょう。

ただし、この記事のチェックで、体調の良し悪しを判断することはできません。気になる様子があるときは、自己判断せず、動物病院や獣医師に相談してください。

毎日チェックする意味と、使い方

わんこは、体調が悪いときでも、言葉で伝えることができません。日頃から体や行動をよく観察して、少しでも異変を感じたら、早めに獣医師に診てもらうことが大切です。

特に、子犬や、飼い始めたばかりのわんこは、念入りに観察しましょう。

チェックの目的は、「いつもとの違い」に気づくことです。わんこによって、食べる量も、動き方も、鳴き声も違います。「平均的な正常」ではなく、「その子のいつも」と比べて見てあげてください。

なお、このチェックは診断ではありません。「この項目が大丈夫だから、安心」とも、「この項目が気になるから、病気」とも言えません。あくまで、変化に気づいて、動物病院に伝えるための手がかりです。

見ておきたい10の項目

1. 元気と食欲

  • 元気がない、ぐったりしていないか
  • ごはんを、いつもどおり食べているか
  • 呼びかけたり、おもちゃを見せたりしたとき、いつもどおり反応するか
  • 熱がありそうな様子はないか

食欲がないときは、病気の兆候のこともあるので、様子を見すぎずに、早めに動物病院に相談しましょう。特に、子犬や小型犬、持病のある子は、食べない状態が続くと体に負担がかかりやすいので、早めに相談してください。

体温は、見た目や触った感じだけでは分かりにくいことがあります。資料では、正常な体温は38.0〜39.0℃とされていますが、体温の測り方は、動物病院で教えてもらいましょう。

ごはんの前後に、さっと見てあげるのがおすすめです。

2. 排泄(うんち・おしっこ)

  • うんち・おしっこの、においや色、回数、量はいつもどおりか
  • うんちの硬さはいつもどおりか。下痢や、血が混じっていないか
  • 虫のようなものが、混じっていないか
  • 肛門のまわりが、汚れていないか

お散歩のときや、トイレの後始末のときに、さっと確認する習慣をつけておくと、変化に気づきやすくなります。気になるときは、写真を撮っておくと、獣医師に伝えるときに役立ちます。

3. 目

  • 目に輝きがあるか
  • 目やにが増えていないか
  • 涙の量が、いつもより多くないか
  • 白目が赤くなっていたり、黒目が白くにごっていたりしないか

朝、起きたときや、お散歩から帰ったときに、顔まわりを見てあげましょう。

4. 耳

  • 耳が汚れていないか
  • 赤みや腫れがないか
  • いつもと違うにおいや、耳だれが出ていないか
  • 耳を、しきりに気にしていないか

5. 鼻・咳・くしゃみ

  • くしゃみが、続いていないか
  • 鼻水が出ていないか。量が多くないか
  • 鼻がつまっているような様子がないか
  • ひどい咳をしていないか

鼻水や咳が出たときは、いつから、どんな様子か、どんな場面で出るか(お散歩のあと、興奮したとき、寝ている間など)を、メモしておくと、獣医師に伝えやすくなります。

6. 鳴き声と呼吸

  • 鳴き声が、いつもと同じか(弱々しい、かすれている、など)
  • 呼吸の様子が、いつもと同じか(速い、苦しそう、など)
  • 寝ているときの呼吸が、いつもと違わないか

呼吸の様子は、落ち着いているとき、寝ているときのほうが、いつもとの違いに気づきやすいことがあります。

7. 口と歯

  • 口の中や、まわりが汚れていないか
  • 口のにおいが、強くなっていないか
  • 歯ぐきが腫れていたり、血が出ていたりしないか

歯みがきのときや、おやつをあげるときに、口の中をちらっと見る習慣をつけると、続けやすくなります。口を触られるのが苦手な子は、無理をしないでください。

8. 毛並みと皮膚

  • 毛につやがあるか
  • 毛が逆立っていたり、いつもより抜けていたりしないか(脱毛、フケ)
  • 皮膚が赤くなっていないか、かゆがっていないか
  • 体を触ったとき、しこりのようなものがないか

ブラッシングやなでているときに、毛や皮膚の様子を一緒に見る習慣をつけると、続けやすくなります。

9. 歩き方と足

  • 歩き方が、いつもと変わっていないか
  • 肉球や爪の状態(傷、割れ、伸びすぎ)は、いつもどおりか
  • お散歩に行きたがらなくなっていないか

お散歩の最初と最後に、足の裏をさっと見てあげると、変化に気づきやすくなります。

10. 水を飲む量と体重

  • 水を飲む量が、異常に多い、または少なくなっていないか
  • 体重や体型は、いつもどおりか

体重は、週1回程度の測定がすすめられています。水を飲む量は、毎回量る必要はありません。「いつもより水の器が空になるのが早い」といった、ざっくりとした気づきで十分です。

相談のタイミングを、2つに分けて考える

気になる様子があるときは、その内容によって、動物病院に連絡するタイミングを考えます。以下は、あくまで目安です。判断に迷うときは、動物病院に電話で相談してください。

すぐに動物病院へ連絡したい様子

次のような様子があるときは、様子を見ずに、すぐに動物病院へ電話して、獣医師の指示を受けてください。

  • ぐったりして、動かない。呼びかけても、反応が弱い
  • 呼吸が苦しそう、または、呼吸がいつもと大きく違う
  • けいれんしている
  • 嘔吐をくり返している
  • 吐こうとしても吐けない。お腹が急にふくらんでいる
  • おしっこが出ない、または、出そうとしても出ない
  • 暑い場所や運動のあとで、呼吸が荒く、ぐったりしている(熱中症のおそれ)
  • 咳がひどい
  • 大きな事故や、けがをした
  • 食べてはいけないものを、食べてしまった可能性がある

夜間や休日でも診てくれる動物病院を、あらかじめ調べて、電話番号をメモしておくと、いざというときに慌てずにすみます。

様子を見ながら、かかりつけに相談したい様子

すぐではなくても、次のような様子が気になるときは、かかりつけの動物病院に、相談してみましょう。

  • 食欲が、いつもより落ちている
  • 元気はあるが、いつもより動きが少ない
  • うんちが、軟らかい、または、硬い状態が続いている
  • 目やにや、耳だれが増えた
  • 咳やくしゃみが、ときどき出る
  • 皮膚をかゆがる、毛が抜けている
  • 口のにおいが強くなった
  • 歩き方が、いつもと少し違う
  • 水を飲む量が、いつもと違う

様子を伝えるときは、「いつから」「どのくらい」「どんな様子か」を、メモや写真と一緒に伝えると、獣医師も判断しやすくなります。

続けやすい観察のコツ

チェックは、長く続けることが大切です。無理のない方法を、見つけてみてください。

見る場面を決める

「朝のごはんの前」「お散歩から帰ったあと」「寝る前のなでなでタイム」のように、毎日の習慣と結びつけると、続けやすくなります。

短く記録する

スマホのメモや、カレンダーに、ひと言だけ残してみましょう。

  • 例: 朝のごはん「全部食べた」、うんち「いつもどおり」
  • 例: 今日は「目やにが少し多い」

気になる変化があったときは、写真も撮っておくと、獣医師に説明するときに役立ちます。うんちや目やにの写真は、受診のときに見せるためのものなので、後で消してもかまいません。

家族で共有する

家族みんなで見ていると、気づきが増えます。「今日のごはん、少し残したよ」「うんちが柔らかかった」など、気づいたことを、気軽に共有できるようにしておきましょう。

完璧を目指さない

毎日すべての項目を見る必要は、ありません。できる日に、できる範囲で、続けていくことが大切です。

定期的な健康診断と、予防

毎日の観察と合わせて、定期的な健康診断も、病気の予防に有効だとされています。年齢や体質によって、診断の頻度や内容は違うため、かかりつけの獣医師に相談して、愛犬に合った計画を立てましょう。

また、ワクチンや、ノミ・ダニ、寄生虫の予防(駆虫)は、獣医師に相談して、適切な時期に受けさせることが勧められています。

犬の登録と、毎年度1回の狂犬病予防注射は、飼い主さんの義務です。

まとめ

愛犬の健康チェックは、「いつもの様子」を知り、「いつもと違う」に気づくための習慣です。元気と食欲、排泄、目、耳、鼻・咳・くしゃみ、鳴き声と呼吸、口と歯、毛並みと皮膚、歩き方と足、水と体重の10の項目を、毎日の生活の中で、少しずつ見てあげてください。

気になる様子があるときは、自己判断せず、動物病院や獣医師に相談を。今日の夕方のお散歩から、まずは「うんちの色」だけでも、見てみませんか。